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2005.03.01

『忌まわしき絆』 L.P.デイビス

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著者:L.P.デイビス/板垣節子
出版:論創社(論創海外ミステリ)
ISBN:4846005232
発行:2005年 02月
本体価格:1,800円 (税込:1,890円)
採点:4.0点

[帯]
 凶悪のペーパー・ドール
 蘇る漆黒のホラー・サスペンス
 「あんな子を引き取らねばよかった」
 「あの子を手元に置かずにすむなら、右腕だって差し出すものを」

[あらすじ]
 クックリー中学の教師・ゴードンの担当する生徒が屋根から転落した。突然窓枠によじ登り、自ら落ちたのだという。だが、同様の事故が小学校でも起きていたことが分かり、二つの事故に関係するロドニーという少年が浮かび上がる。ゴードンは同僚の美術教師・ジョーンとともにロドニーの生い立ちを調べ始めるのだが……。

[感想]
 子どもというのは不思議な存在である。未熟な心の中にどんな可能性を秘めているのか、わたしたち大人はそこに大きな期待を寄せる反面、彼らの理解のできない行動に不思議さや、時には恐怖を感じることもある。誰もが通り抜けてきた時代であるはずなのに、なぜなのだろう。本書は、そうした子どもの謎めいた一面を極限まで引き出した作品である。

 物語は学校での転落事故から始まる。二人の教師がロドニーという少年に目をつけ、その生い立ちを探るというもの。途中、仲間となる人物と出会い、協力しながら少年に秘められた過去と恐るべき真相に近づいていく。わずかな手がかりから過去を辿っていく調査のおもしろさ、そして主人公ゴードンを初めとする人物描写の豊かさは、作品成立の1964年からまったく色あせていない。また、真相に近づくほど緊張感が高まるという点ではホラー・サスペンスとして評価できるところだろう。

 特筆すべきは、登場人物の少年に対する感情の描き方だろう。少年を追う二人の教師は、担当する生徒への関心や義務感だけで行動するのではない。調査の中で、二人は次第に少年に対して強い絆を感じ、何としても救おうとする気持ちを持つようになる。不気味な子どもに対する憎しみ、恐怖感と、愛情や信頼といったものをうまく対比させ、独特の読後感を与えている点も面白い。

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