『季刊島田荘司Vol.4 最後の一球』 島田荘司
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著者:島田荘司
出版:原書房
ISBN:4562037954
発行:2005年 02月
価格:1,600円 (税込:1,680円)
採点:3.5点
[帯]
お待たせしました!御手洗潔シリーズ書き下ろし最新長編
「最後の一球」(480枚)一挙収録!
生まれ故郷から近代日本を照射する「BACK TO FUKUYAMA」
少年時代から作家への軌跡をたどる「誌上再現・島田荘司展」
日本人の本質に鋭く切り込む 「日本学の勧め」など
圧倒的高濃度大増ページ!
[あらすじ]
美容院を営む青年は、母親の自殺未遂の理由を知りたいと御手洗を訪ねてきた。わずかな手がかりから、御手洗はその謎を解き明かす。すべてが解決したかに見えたそのとき、とあるビルの屋上で、火の気もないのに突然火災が起きるという事件が発生する。二つの事件をつなぐのは野球に人生をかけた一人の青年の物語だった。
[感想]
幻想的な謎を論理的に解き明かすおもしろさ、社会の矛盾に対する憤り、心を包み込む温かなまなざしなど、御手洗潔シリーズには様々な魅力がある。この作品は、どちらかといえば後の二つに力点が置かれた、メッセージ性のある作品である。
物語は青年美容師の相談から始まる。依頼された母親の自殺未遂の謎はすぐに解き明かされ、続いて密室状態での火災というもう一つの事件が発声する。謎としては、どちらにもさほど魅力は感じられないのだが、野球に人生をかけた青年の物語が始まることで、作品は急速に輝き始める。
青年の独白がたどり着く先は、ほぼ見えている。事件そのものに不思議はない。だが、なぜそうしたことが起きたのか、何が彼にあったのか、それが何としても知りたくなる。そして、青年の積み重ねた努力と苦労の日々を読み進めるうちに、読者は作品の世界に深く引き込まれていく。序盤の謎と、そこに込められていたメッセージが青年の物語とつながり、鮮やかなエンディングが読者の心を揺さぶる。小道具の生かし方、構成の巧みさが光る作品である。
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