『月読』 太田忠司
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著者:太田忠司
出版:文藝春秋(本格ミステリ・マスターズ)
ISBN:4163236902
発行:2005年 01月
価格:1,857円 (税込:1,950円)
採点:3.5点
[帯]
月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。
ふたりが出会ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。
ぼくはここにいる。きみはひとりじゃない。
[あらすじ]
マンションのドアに浮き出たレリーフ。それは従妹が残した月導だった。数ヶ月にわたって連続して起きている暴行事件との関連はあるのか、手がかりを求めて部屋を訪れた河井は、ドアの前に佇む一人の青年と出会う。青年は朔夜と名乗り、月導から読み取った言葉を河井に語り始めるのだった。
[感想]
人は亡くなるときに月導(つきしるべ)を残すという。それは死者の最期の思いが形をとるもので、手で触れられるものだけでなく、光や音、香りとなってその場に残ることもある。そして、月導から言葉を読み取る者を「月読」と呼ぶ。
こんな不思議なことが当たり前のように存在する世界が舞台となった作品である。一見ファンタジーのように感じられるが、その部分をのぞいてしまえば、わたしたちの世界と何ら変わることのない日常がそこにある。
死者の言葉といえばダイイングメッセージ。だが、ここではそうした露骨な使い方はされていない。故人の悔やむ気持ち、伝えたい思いが凝縮され、形となって表れる情緒的なものとして登場しているのだ。そのため作品全体が月の光にそっと照らされたように、寂然とした落ち着きあるものとなっている。また、月導や月読はこうした雰囲気作りの道具として使われているだけではない。トリックやプロット、「月読」という職業に就く主人公の人物設定といった物語を構成する複数のレベルで、重要な役割を果たしているのである。それぞれどのような場面で機能しているのか、施された仕掛けを探しながら読むのも楽しい。
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» 月読 [北風の木枯らしぴーぷー]
謎めいたタイトルに惹かれて購入しました。月の神の名前が神秘的です。表紙はチューリ [Read More]
Tracked on 2005.02.28 at 08:55 PM

Comments
こんにちは、コメントありがとうございました。
たくさんのミステリを読んでいらっしゃるのですね。今度読む本の参考にさせて頂きたいと思います。
「死を招く料理店」なんか面白そうですね~。「ユージニア」も気になります。
Posted by: 北風 | 2005.03.06 at 05:10 PM