『羊の秘』 霞流一
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著者:霞流一
出版:祥伝社(Non novel)
ISBN:4396207921
発行:2005年 02月
価格:876円 (税込:920円)
採点:3.5点
[帯]
装飾された死体+雪上の殺人+ガラスの密室!
「これが本格ミステリ“消去法の美学”だ」
ミステリベスト2冠の
法月綸太郎氏も驚倒!
[あらすじ]
古道具屋の露沢が訪れた土蔵には、奇妙な死体があった。全身紙に覆われ、口には金属の棒。現場の三つの古時計は、それぞれ1時、2時、3時を示していた。そして再び起きる奇妙な事件。被害者はみな夢の表現サークルの関係者だった。
[感想]
都市伝説の不思議を背景に展開する哀しい物語。トリック満載で、まさにミステリマニア向けの作品である。
一作に一つの動物ネタを充てる作者が今回選んだのは羊。それがアイテムに関連するだけでなく、動機や推理の過程といったさまざまなレベルで作品に織り込まれている点は見事。しかし、何よりも嬉しいのはどこまでもトリックと謎解きにこだわる姿勢である。
ミイラのように巻かれた被害者、ガラスの密室で火の玉となった死体など、奇怪な謎を提示し、蘊蓄を傾けながら驚くべき真相の種明かしをする。それは無理というとんでもないトリックも、ここまでやってくれれば大満足。得られた手がかりから容疑者を一人ずつ除外していくという、ミステリ好きにはたまらない大団円も用意されている。
また、登場人物の会話の軽快さと事件の底流にある痛ましさ、この二つのギャップが不思議な味わいとなり、次第に作品の色合いが変わってくるところも興味深い。やるせない思いが残る結びもよい。
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