『冥い天使のための音楽』 倉阪鬼一郎
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著者:倉阪鬼一郎
出版:原書房(ミステリー・リーグ)
ISBN:4562038632
発行:2005年 02月
価格:1,600円 (税込:1,680円)
採点:3.5点
[帯]
「庭に、死体が埋まっている。
それを天使が祝福している――」
妖美な旋律
戦慄の仕掛けが交錯する
長編本格ゴシック・ミステリー
[あらすじ]
友愛音楽大学に学ぶ香子と朋子は、蓮田、宮村という二人の青年とともにマヌエラ・カルテットという弦楽四重奏団に所属していた。発表会に向けての練習が進む中、リーダーである蓮田と交際していた小野詩音というヴァイオリニストが失踪してしまう。一方その頃、ある屋敷の中では何者かが訪れる女性を殺害し、庭に埋めることを繰り返していた。
[感想]
作品全体が一つの音楽となるよう、きめ細やかに構成された作品である。各章にはオーケストラの開始から終了までを辿る章題がつけられ、物語はそれに準じて進行する。音楽用語がところどころに挿入され、読者は殺人者の奏でる曲の聴き手として、物語を読み進めることになる。
登場人物の造形や配置が巧みで、読者は最後まで殺人者が誰なのか分からない。ミスリードを誘う手がかりが多く、提示された条件では絞り込むのは難しいためである。詩的な表現を取り入れ、視覚的にも文字の配列に工夫を凝らしていることで、幻想的な場面が美しく描き出されているが、その中にもプロットの工夫が織り込まれているところが嬉しい。
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