『ヘンリーの悪行リスト』 ジョン・スコット・シェパード
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著者:ジョン・スコット・シェパード/矢口誠
出版:新潮文庫
ISBN:4102151214
発行:2005年 02月
価格:819円 (税込:860円)
採点:4.0点
[帯]
爆笑必至 感涙保証の快作
2006年映画公開決定!
[あらすじ]
「暗殺者」の異名をとる超エリート・ヘンリーは、これまでに多くの友人を踏み台にしてのし上がってきた。それもすべては、かつて自分を捨てた女性を見返すため。だが、故郷へ錦を飾ろうとする彼に届いたのは彼女の死の知らせだった。これまでの悪行の巨大な反動がヘンリーを襲う。死を決意してバルコニーから身を投げる寸前、メイドの一言が彼を救った。「すべてにきっちり片をつければいいのよ」――かくして、ヘンリーの贖罪の旅が始まった。
[感想]
自分の犯した過ちを償うためにリストを作り、一人一人に心からの謝罪をする。パートナーとなるのは、主人公ヘンリーを「天の声」で救った不思議なメイド。二人の苦難に満ちた5日間の顛末を描いたロード・ノベルである。
金、地位、名誉。頂点を目指すヘンリーにとって、自分以外はすべて踏み台にすぎない。だが、踏まれた者にとっては、それが一生涯の傷となる。中には再起不能なほどのショックを受けた者もいる。そうした人々に対して許しを請うのだから、そうそう簡単にいくはずがない。殴られ、銃を突きつけられ、頭上からはコップが落ちてくる。ヘンリーの方策といえば、とにかく心から謝罪することのみ。次々起きるハプニング、そのたびに立ち上がり、一枚ずつ心の鎧を脱ぎ捨てて純真な心を取り戻していくヘンリーの姿が楽しく、また清々しい。
そして何より、彼をサポートするメイドのソフィーの存在がよい。ある時は勇気づけ、ある時は立ち直れないほどの叱責を容赦なく浴びせる。厳しい中にも優しさと愛情をもってヘンリーを導く一方、彼女自身も何やら秘密を抱えている。魅力溢れるヒロインで、次第に惹かれていく二人の行く末も読みどころの一つである。
ミステリに日常の謎があるなら、これこそ日常の冒険小説。スケールは小さいが、ラストの衝撃と感動は大きい。心に残る作品である。
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