『片目の追跡者』 モリス・ハーシュマン
本の詳細ページへ
著者:モリス・ハーシュマン /三浦亜紀
出版:論創社(ハードカバー)
ISBN:484600516X
発行:2004年 11月
価格:1,600円 (税込:1,680円)
採点:4.0点
[帯]
探偵クレインに突きつけられる無情の結末
「なぜ探偵なんかなった?」
「俺たちは自分のために働くことができるし、それだけでもとても気に入ってるんです」
[あらすじ]
探偵クレインのパートナー、ベンが姿を消した。クレインは残されたアドレス帳から足取りを辿るが、担当していた事件の内容とともに、複数の女性との関わりが明らかになってくる。
[感想]
論創社はこれまで国内の探偵小説を発掘するシリーズを刊行していたが、昨年末から海外作品ミステリを加え、新しいシリーズを展開している。本書はその第1回配本となった一冊である。
内容は、失踪した共同経営者を私立探偵が捜索するというもの。事件なのか事故なのか、それすら曖昧で取り立てて語るほどのことでもない。横井司氏の解説では、ハードボイルドの流れと、この作品の特殊性(家庭生活などプライベート・ライフが描かれていること)が取り上げられている。読んでみればなるほど確かに夫婦喧嘩や生活費の問題など、ハードボイルドというイメージからは少し距離を感じる部分もある。しかし、その程度ならばあえて翻訳する必要があるだろうか。だが、その疑問は結末を読んで氷解した。なるほどこう使ってくるのかと。
表紙の隻眼の探偵、帯の背の「ネオ・ハードボイルド」の文字からしても、読者はその系統の作品としか考えないだろう。ましてこの解説。懇切丁寧に歴史的なことまで触れてくれているが、しっかりと伏せている部分がある。あえて探すなら、最後の一行の「本書の先駆性」、ここに思いが込められているのだろうか。予備知識はできるだけ少ない方が楽しめるに違いない。ミステリのおもしろさを再確認できる一冊である。
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15005/2478435
Listed below are links to weblogs that reference 『片目の追跡者』 モリス・ハーシュマン:
» モリス・ハーシュマン [PukiWiki/TrackBack 0.1]
Counter: 1, today: 1, yesterday: 0 モリス・ハーシュマン † 名前:Aモリス・ハーシュマン(Morris... [Read More]
Tracked on 2005.01.07 at 12:26 AM

Comments