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2005.01.04

『容疑者たちの事情』 ジェイニー・ボライソー

bolitho01

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著者:ジェイニー・ボライソー /山田順子
出版:東京創元社(創元推理文庫)
ISBN:448819804X
発行:2004年 11月
価格:660円 (税込:693円)
採点:3.5点

[帯]
 コーンウォール・ミステリ第一弾!
 海と陽光と死体を楽しむ
 英国カントリーライフにようこそ。
                ――若竹七海
 
[あらすじ]
 写真家のローズは、仕事で知り合った女性からパーティーの招待を受ける。夫に先立たれて4年。そろそろ新しい出会いをと意気込んで出かけたものの、主催者が墜死し、ローズは第一発見者となってしまう。容疑をかけられたローズは好奇心から事件の調査を始めてしまうのだった。

[感想]
 主人公は画家兼写真家のローズ。夫を失って4年だが、その期間に地元コーンウォールの人たちの信頼を築き上げてきた好感の持てる人物として描かれている。住民のゴシップには興味を示さないが、困っている人には手を差し伸べずにはいられない、かといって出しゃばるわけでもなく、思慮深さも感じさせる。こんな主人公が事件に出会ってしまうのだから、気づかぬうちに真相に近づいてしまうというのも仕方のないこと。このあたりの進行が手際よく、スムーズに物語の世界に入っていくことができる。

 読者に提供される情報は、ローズが体験する出来事と、被害者の家族や地域の人々の視点でとらえた事実のみ。警察の捜査に関する記述はほとんど見られない。そのため、事件そのものは複雑ではないのだが、それぞれの安定した生活が事件をきっかけに乱され、不安の中から新しい事実が浮かび上がってくるところにちょっとしたスリルが感じられるのである。定番のロマンスもしっかり用意されている。凝ったミステリが多い中、休日にゆっくりと過ごしたいときにはぴったりな、気軽に読めるよい作品である。

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