『キルケーの毒草』 相原大輔
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著者:相原大輔
出版:光文社(カッパノベルス)
ISBN:4334076025
発行:2005年 01月
価格:1,238円 (税込:1,300円)
採点:3.0点
[帯]
輝ける退廃の闇。
おそるべき連鎖殺人。
[あらすじ]
作家・鳥部林太郎は行方不明となった友人の手がかりを捜して桐島秀典男爵家を訪れた。奇遇にも、鳥部はそこで朋友大島と再会するが、屋敷で催された晩餐会で、奇怪な事件が起きてしまう。男爵家の次女・朋子が大量の血痕を残し、自室から忽然と消え去ってしまったのだ。
[感想]
『首切り坂』でデビューした作者の第二長編。「キルケー」はギリシア神話のアイアイエ島に住む美しい魔女で、人を豚に変えるという。懐かしい探偵小説の味わいと幻想的な作品世界を描き出した前作とは変わって、タイトルに違わず毒物談義に始まる衒学趣味に彩られた作品となっている。
序盤に語られる怪談はよくできており、読者の不安感をうまくかき立てる。だが、事件の推移を丁寧に追う手法と登場人物に語らせるペダントリーによって、その効果が薄れてしまっているのが惜しい。作品から感じられるのは悲哀と言うよりも退廃。悲劇的な要素は十分だが、個性的な登場人物が多く、事件の異常さが大写しされているためだろう。密室トリックも用意され、力の入った終盤にはこれでもかというくらいの展開が準備されている。少々欲張り気味ではあるが、これもまた楽しい。
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