おしまいのページをそっと見る人
小学校の教科書に、推理小説に関する記述があります。「ニュースを伝える」という国語の教材で、次のように記されています。
ある事件が起きて、捜査の手がしだいにのび、たんていがなぞ解きをして、最後に犯人がつかまるというすじだてになっている。犯人がだれかという、結論が最後にくるわけだ。読者は、最後まで待ち切れず、とちゅうを飛ばして、おしまいのページをそっと見たりする。
この「結論を知りたい」という欲求に応えるのが、全体の中の大事なことを先に解ってもらう「逆三角形の構成」で、ニュースの場合がこれに当たるというわけです。確かにニュースを見ていると、結論や大事なことが先に来て、その後詳細な内容の説明になりますね。
しかし、こう書かれてしまうと、何と単純な構成なのだろうと思われてしまいそうで、困ってしまいます。ニュースと推理小説の構成の比較、ちょっと強引なような気もしますね。
些末なことですが、「とちゅうを飛ばして……」について。結末にたどり着くまでの過程の方がおもしろいと思うのですが。おしまいのページをそっと見る人、本当にいるのでしょうか。
新刊です。店頭ではまだ確認していません。
『悪夢はダブルでやってくる』 浅暮三文 小学館 1,470円
『雨恋』 松尾由美 新潮社 1,470円
『月読』Honkaku mystery masters 太田忠司 文藝春秋社 1,950円
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