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2005.01.24

『本棚探偵の冒険』の冒険

『本棚探偵の冒険』 喜国雅彦 双葉文庫 800円
『本棚探偵の回想』 喜国雅彦 双葉社 2940円

 ネット上のミステリ好きな人たちが集まるイベントに「MYSCON」があります。たくさんの方が集まって、一晩中ミステリの話をするという楽しい会です。以前、参加させていただいたときに、作者の喜国さんや、登場している石井さん、日下さん、彩古さん、よしださん、そしてお名前が出ているkashibaさんのお話を聞くことができました。

 古書についての知識はなくても、それなりに読んでいるから、分かると思っていたのです。それまでは。でも、間違いでした。この方たちのお話を聞くと、知らない作家、聞いたこともない作品が次々に出てくるのです。そんなものがあったのか、というところまでも行かない。「それは何?」という世界です。関口巽状態です。わたしはひよこだと自覚した瞬間でした。もちろんあちらはニワトリなどというレベルではありません。マルタの鷹だったり、荒鷲の要塞だったり、不死鳥の騎士団だったりするわけです。この衝撃は大きかったです。そして、嬉しかったのです。本の世界は、どこまでも深く、何よりも楽しいのだなと改めて感じることができたのですから。

 わたしが買う本はほとんどが新刊ですが、たまに古い本を探しに出かけることがあります。めったにない本を棚に見つけた時の喜びは、言葉で言い表せるものではありません。ところが困ったことに一度そうした経験をすると、またあるかもしれないと思ってしまうのですね。そしてある日、無意識のうちに古本屋を探している自分に気づくのです。ここまで来るともう病気です。

 この『本棚探偵の冒険』、『本棚探偵の回想』には、読んだ人をそちらの世界に引き込んでしまうという恐ろしい力が秘められています。アブドゥル・アルハザードもびっくりです。本探しは冒険です。読むことだけでなく、本をまるごと楽しんでしまおうという気概に溢れたこの作品で、新しい楽しみ方を見つけてください。

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