『失われし書庫』 ジョン・ダニング
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著者: ジョン・ダニング
出版:早川ミステリ文庫
ISBN:4151704086
価格:900円 (税込:945円)
採点:3.5点
[帯]
八十年前に失われた稀覯本の山と
幻の作家の真実……
元刑事の古書店主クリフに再び転機が訪れる!
『死の蔵書』『幻の特装本』に続く
古書店探偵クリフ・ジェーンウェイ・シリーズ最新作
[あらすじ]
探検家バートンの稀覯本を落札したクリフを一人の老婦人が訪れた。彼女は、その本が数十年間に不法な手段によって奪われたものの一冊であると言う。かつて彼女の家にはバートンの初版本を始め、数多くの貴重な本が保管されていたらしい。わずかな手がかりを元に、クリフは失われた蔵書の捜索を開始するが、本に関わった人物が殺害され、彼自身も命を狙われてしまう。
[感想]
古書を題材にしたシリーズ第3作は、バートンの空白の3ヶ月を埋めるという歴史ミステリの趣向を取り入れた重厚な作品となっている。老婦人の記憶から謎を辿るという設定は面白く、タイタニック沈没をテーマとしたミステリ『エヴァ・ライカーの記憶』を思い起こさせる。資料に当たるのはサブキャラクタであるため、主人公のクリフの活躍は体を張る場面が目立ってしまうのだが、本の追跡と殺人事件とが密接に関わっているため、謎解きの楽しさは存分に味わうことができる。また、今回登場する女性弁護士エリンは、文学ネタの会話でクリフと互角に渡り合う才女で、この二人の関係も読みどころの一つといえる。
シリーズものではあるが、これまでの作品についての予備知識は不要。ミステリ好き、本(特に古書)好きの方にはおすすめしたい作品である。
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