『推理小説』 秦建日子
本の詳細ページへ
著者:秦建日子
出版:河出書房新社(ハードカバー)
ISBN:4309016863
発行:2004年 12月
価格:1,600円 (税込:1,680円)
採点:4.0点
[帯]
『最期の弁護人』『共犯者』『ラストプレゼント』……
最注目の脚本家が放つ
驚愕のデビュー小説!
[あらすじ]
「アンフェアなのは誰か」。殺人鬼は一枚の栞に謎の言葉を残して次々と凶行を繰り返す。高校生、会社員と被害者には何の共通点もない。検挙率ナンバーワンの敏腕刑事が捜査に乗り出すが、その頃各出版社には事件の詳細を描いた「推理小説(上)」の原稿が届けられていた。その中には犯人しか知り得ない内容が――。
[感想]
手がかりを残さずに犯行を重ねる緻密な計画性と、殺人予告原稿の落札を要求する大胆さ。メタ・ミステリの要素を取り入れた作中作の不思議な味わいも相まって、インパクトのある犯人像が作り上げられている。一方の捜査側には、「無駄に美人」の異名をとる敏腕刑事。キャラクターの造形は秀抜といってよい。展開もテンポがよく、音と映像を合わせたくなるほどスリリングな場面がそこここに散りばめられている。
謎解きにはトリックと社会性を絡ませているが、どちらに偏ってもミステリファンには不満となりそうなところを、新たな手法で見事にクリアーしている。この部分は評価したい。大学のミステリ研究会、推理作家と編集者、受賞パーティーといったミステリファンの心をくすぐる仕掛けも適度に盛り込まれ、楽しめる一冊である。

Recent Comments