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2004.06.27

ミステリマガジン 8月号

 昨日が発売日でしたね。今月のテーマは「幻想と怪奇」。暑い夏にはぴったりの特集です。以下、収録された短篇の感想です。

「呼びさますなかれ」 マンリイ・ウェイド・ウェルマン
 民間伝承の研究者が呪われた家の魔を祓う。での調査を行うという物語。映像化された作品を見てみたいもの。

「ただ一人の生存者」 ロッド・サーリング
 海原を漂う一人の男。救命ボートにはフジツボが張り付き、あるはずのない船名が書かれていた。落ちが予想できてしまうが、短い中に壮大なスケールを感じさせる作品。

「廃墟」 リン・A・ヴェナブル
 本も新聞も読む時間がない銀行員がつかんだ千載一遇のチャンス。最も切れ味のよい一編。ラストの恐怖は本好きならば分かるはず。絶望感が伝わってくる。

「人形」リチャード・マシスン
 詩人と彫刻家の夫婦には、子どもというたった一つの問題があった……。『ある日どこかで』のマシスンによるホラー。これも展開が予想できてしまうのだが、怪物のようにしか見えない子どもの描写が秀抜。

「地震を予知した少年」 マーガレット・セント・クレア
 毎晩テレビで未来を100パーセント当てる少年が、ある日出演を拒否する。知識のあるものについてだけ予言ができる、というところがおもしろい趣向。

「背後に聞こえる声」デイヴィッド・マレル
 つきまとう女学生に怯える大学教授の物語。現実と非現実との境が曖昧で、次第に心を蝕まれていく様子が巧みに描き出されている。

「頑固な死者」ロバート・ブロック
 死んだ翌朝、朝食に現れた祖父。決して死を認めようとしない頑固者への対処法とは……。『サイコ』の原作者による短篇。ナンセンスでほとんどコメディだが、状況を想像すると実に気味の悪い作品。語り手の少年の純真さが作品をうまく包み込んで、鮮やかな結末につながる。

 編集後記のT.Iさんのコメントは、電車の中でミステリマガジンを読んでいる人に話しかけたかったけれどできなかった、というものでした。短いけれど、関わった本を大切にする気持ちが伝わってきて、嬉しくなりました。もしわたしがその読者だったら、いつでも話しかけてほしいです。作者から読者まで、本に関わるすべての人と楽しさを分かち合いたいのです。

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